石巻赤十字病院、専門職で緩和ケアチーム 精神面のサポート強化
緩和ケアセンターの診察室。落ち着いた空間で話をすることができる石巻赤十字病院（石巻市蛇田）は今月から、がんなどの疾患を持つ患者の肉体的・精神的な苦痛を和らげる「緩和ケアセンター」を開設した。これまでは緩和医療科で対応してきたが、医師、看護師に臨床心理士や社会福祉士ら複数の専門職が加わり、精神面のサポート体制を強化する。患者本人をはじめ、家族ら身近な人、同病院外からの受診希望も受け入れる。
緩和ケアは、がんなどの治療による身体的症状や、気分の落ち込みや悲しみといった精神的症状のつらさを和らげる。緩和医療科では治療に関する診察が中心だったが、治療の過程で生じるさまざまな不安や悩みに寄り添うため、体制を強化。医師と看護師、薬剤師、理学療法士、臨床心理士ら計１４人の専門職で、緩和ケアチームを編成した。
入院中の患者や家族らへのケアはもちろん、入院から外来診療に移行する患者も多いことから、医師が診察する「緩和ケア外来」、認定看護師らが治療や療養の悩み、不安について一緒に考える「がん看護相談外来」を設けた。
スタッフと患者らが話す診察室や相談室は、障害がある人たちがアート活動に取り組む「ペンギンズアート工房」（石巻市羽黒町）の作品を飾るなど、癒やしのある空間にした。
センターによると、緩和ケアは終末期の患者が受ける治療という印象が根強いが、「病名を告げられたとき」「治療を受けているとき」「仕事など先々に不安を抱えているとき」など、つらいと感じた瞬間からケアは始まるという。センターの受診は通院中の病院を問わず、患者の家族や友人らも受け入れ、不安や悩みに寄り添う。
緩和ケアセンター長の鈴木聡・石巻赤十字病院副院長は「病気を治す全てのプロセスを支えていきたい。患者さん本人もだが、ご家族や身近な方もつらさを背負っている。専門職が集まっているので、まずは連絡をしてみてほしい」と話している。
センターの受診は紹介状があることが望ましい。連絡先は０２２５（２１）７２２０。
2020年04月12日日曜日
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April 12, 2020 at 08:22AM
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