気象庁は、集中豪雨をもたらす「線状降水帯」の予測精度向上に向け、気象観測態勢を強化する。水蒸気の発生を早期にとらえるため、新たに洋上での観測を始めることなどが柱。今年の梅雨期にも、線状降水帯が発生する可能性がある地域に注意情報の提供を始めたい考えだ。
線状降水帯は、連続して発生した積乱雲が同じ場所に停滞することで大雨をもたらす。7月豪雨で球磨川が氾濫した要因となったが、予測が困難とされ、積乱雲の発達につながる水蒸気の流入量を正確に把握することが課題となっている。
政府は昨年12月15日に閣議決定した2020年度第3次補正予算案に55億6500万円の関係費用を盛り込んだ。このうち、洋上観測の強化には36億6400万円を計上。気象庁の観測船や海上保安庁の測量船計6隻に衛星利用測位システム(GPS)を利用した大気中の水蒸気観測機器を設置し、梅雨期に東シナ海を中心に配備する。
陸上では20年度、県内を含む103カ所の地域気象観測システム(アメダス)に湿度計を整備する。現在、湿度計がないアメダスは全国に687カ所あり、数年かけて全地点に設置し、観測地点ごとに水蒸気の流入を細かくとらえて予測に生かす。
線状降水帯の予測精度を高める取り組みは18年度に始まった。気象庁は30年までに、線状降水帯の発生による集中豪雨を半日前に予測できる技術の確立を目指している。(並松昭光)
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