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Tuesday, January 12, 2021

マンUの時代が始まる。まるでファーガソン時代の強さ、スールシャール監督らしいハーフタイムの修正とは?【分析コラム】 - フットボールチャンネル

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慌てなかったマンU

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【写真:Getty Images】

 8月にUEFAヨーロッパリーグを戦っていた影響で延期されていた第1節が行われ、ユナイテッドは71分に奪ったゴールを守り切った。試合前の時点では首位リバプールとは勝ち点で並んでいたが、この結果を受けてユナイテッドが首位に浮上している。

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 前半は相手のソリッドな戦いに苦しみ、ピンチも何度か招いた。バーンリーは得意のキックアンドラッシュで2トップめがけてボールを蹴り、セカンドボールを拾おうとする。前線からのプレッシングも利いていて、ハイプレスからリトリートの判断も良かった。

 前半のシュート本数はともに5本。しかし、強いチームは慌てない。優勝した昨季のリバプールも1点差勝利が12回もあった。90分終わった時点で1点でも上回っていればいい。勝ち癖のあるチームにはいい意味の開き直りすら感じる。

 バーンリーは3日前のFAカップと7人が同じ先発メンバー。対するユナイテッドは10人を変更している。エリック・バイリとハリー・マグワイアのセンターバックコンビがFAカップで45分間プレーしたが、それ以外はフレッシュな状態でバーンリー戦に臨むことができた。

 後半に入ると徐々にバーンリーの足が止まっていく。カウンターに持ち込む機会を作れなくなり、押し込まれる時間が長くなった。バーンリーも根気強く守っていたが、一瞬隙が生まれた。マーカス・ラッシュフォードがポール・ポグバにクロスを上げる。フリーで放ったボレーシュートは、相手に当たってゴールネットを揺らした。

スールシャール監督らしい修正力

 前半に試合の流れを左右しそうな場面が2つあった。

 エディンソン・カバーニは得点機で倒されてファウルを受けたが、1つ前のプレーでルーク・ショーのファウルが取られた。ハリー・マグワイアはヘディングでゴールネットを揺らしたが、ファウルにより得点は認められなかった。

 ポグバは試合後に「奇妙な判定だった」とマグワイアのファウルを振り返った。カバーニもジェスチャーで不満を表現し、アームバンドを巻くマグワイアは何度かケビン・フレンド主審とコミュニケーションを取っている。

 前半は判定に対して不満を露わにする選手がいた。しかし、それに対する指揮官のアプローチは的確だった。

「ハーフタイムで我々にとって重要だったのは、不満を解決することでした。感情が高まり、選手たちはいくつかの判定に納得できていなかった。彼らを落ち着かせ、自分たちがコントロールできることに集中させることが我々の仕事だった」

 オーレ・グンナー・スールシャール監督は試合をこう振り返った。選手たちのメンタル面にフォーカスして修正を図るという、スールシャールのモチベーターとしての能力が発揮された。

ポグバが持つ影響力

 アディショナルタイムは予定されていた4分より3分ほど長くとられ、試合終了を告げるホイッスルが鳴り響いた。ポール・ポグバは仲間たちと喜びを分かち合ったが、表情が緩むことはなかった。フラッシュインタビューでも表情は硬いままだった・

「今日は我々が本当に集中していたことが証明された。それが我々を改善する方法で、さらに良くなる方法だよ」

 その視線は既にリバプール戦へと向けられていたのかもしれない。FIFAワールドカップで世界一に輝いたポグバは勝ち方を知っている。指揮官も「彼はドレッシングルームで良いキャラクターで、若手はいつも彼を見ている」と、その存在感の大きさを語っている。

 アレックス・ファーガソン時代のユナイテッドも決して戦術的に最先端を走るチームではなかった。ただ、高い能力を持つ選手たちが誰よりも走り、戦い続けることこそが、往年の強さを支えていた。そして、今のユナイテッドにも同じことが言える。

 ブルーノ・フェルナンデスが前線でリーダーシップを取り、誰よりも長い距離を走る。アカデミー出身のスコット・マクトミネイも3日前のFAカップでゲームキャプテンを務め、「マンチェスター・ユナイテッドのDNAを持っている」と指揮官に称賛されている。この試合のポグバもチームリーダーの1人として相応しい振舞いをしていた。

 強いチームには優れたリーダーが何人もいる。キャプテンマークを巻くのはマグワイアだが、ブルーノ・フェルナンデスやポグバもリーダーシップを発揮している。

 17試合を消化した時点で首位に立つのは、最後に優勝した12/13シーズン以来。ファーガソンが最後に指揮を執ったシーズンだった。スールシャールのユナイテッドは、ファーガソン時代と同じ強さを見せている。これは一時のブームではなく、一時代の到来を告げるものなのかもしれない。

(文:加藤健一)

【了】

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