さまざまなトルクレンチがある中で、メカニカルなプレセット型を好むメカニックは少なくない。KTCの新型トルクレンチは、トルク設定しやすい目盛りとISO基準をクリアする精度が特長だ。
人気の理由が分かるプレセット型トルクレンチ
製造現場や修理現場を問わず、規定トルクでネジを締めるのは正確性を担保する第一歩だ。だが、その結果をどう扱うかは仕事の内容によって異なる。KTCが推進する「トレサス」は、工具のデジタル化による作業履歴の記録/管理を実現する。
趣味のサンデーメカニックにとっても履歴管理に意味はあるが、もっとシンプルに目の前のボルトを正しく締めるための工具があっても良い。新型プレセット型トルクレンチは、そうしたニーズに応える新製品である。
なによりもトルク設定が分かりやすく、設定トルクで「カチッ」と手に伝わる感覚も機械的で安心感が高い。発売早々大ヒットとなっているのも納得である。
数字読み取り式の副目盛りで、迷わずトルク設定可能
差込角にかかわらず、グリップ部分のデザインは同じでシリーズとしての統一感がある。ヘッド差し替えタイプなどのバリエーションはなく、現状はラチェットヘッド仕様でスタート。ちょっと太めのエラストマー樹脂製グリップは、握りやすく滑りにくく好印象だ。
オーバル窓の中の主目盛りとオレンジ窓の副目盛りの数字を足してトルクを設定する。どちらも視認性が高く直観的に操作できる。
トルク設定はグリップを回して行うが、使用中に設定値が変わらないよう、グリップ後端のツマミを回せばロックできる。
ディンプル付きで握りやすいグリップは、油分が付着しても劣化しにくいエラストマー樹脂製。使用時は縦長ディンプルのグリップ中央部に力を加えると正確に測定できる。
落下や衝撃に敏感な測定機器なので、ブロー成形による樹脂ケースが付属する。使用後はトルクを抜いて保管する。ただし主目盛りの下限値よりも緩めないこと。
6.3sq.プレセット型トルクレンチ:デリケートな締め付けに適した最小目盛り0.1N・mタイプ
緩いと排気漏れ、締めすぎるとフランジ変形の原因となるエキゾーストナット。このバイクの締め付けトルクは12N・mで、ラチェットヘッドがコンパクトな6.3sq.が使いやすい。「カチッ」と手応えがあれば、オーバートルクを避けられる。
【差込角6.3sq.の目盛りは1回転で1Nm増減】最小目盛りは差込角で異なり、6.3sq.は最小0.1でグリップ1周すると1N・m変化する。このレンチの測定範囲は5~25N・mで、他に2~10N・mの機種もある。
9.5sq.プレセット型トルクレンチ:バイクのメンテで使用頻度の高いトルクレンジをカバー
差込角9.5sq.にはトルク測定範囲2~10N・m/5~25N・m/10~50N・m/20~100N・mの4タイプがある。これによって内部のスプリングへの負荷を小さくなり、ISO基準をクリアする±3%の測定精度を達成。このキャリパーボルトのトルクは31N・mだ。
【グリップ1回転で設定トルク2.5N・m増減】測定範囲10~50N・mのGW050-03の最小目盛りは0.25で、グリップ1周で2.5N・m増減する。主目盛りは2.5N・m刻みとなっており、上の例では24.75N・mの次が25N・mとなる。
12.7sq.プレセット型トルクレンチ:トランポのホイール締め付けにも使える200N・mタイプ
このバイクのリアアクスルナットの規定トルクは93N・m。主目盛りを90N・m、副目盛りを3に合わせれば93N・mとなる。
【グリップ1回転で設定トルクは10N・m増減】GW200-04の主目盛りは10N・m刻みで、副目盛りは1。1周すると主目盛りが10N・m増減する。画像の例では、左が69N・mで右が70N・mとなる。
多彩なバリエーションの中から用途や目的に応じて使い分けよう
ボタン操作で設定トルクが呼び出せるデジラチェ、スマホに作業履歴が残せるトルクルに対して、新製品のプレセット型はシンプルさとリーズナブルが価格が特長。アナログな操作感は買い換えユーザーも迷わず使える。
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