新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会は、緊急事態宣言について政府が10の都府県で1か月の延長を決定するのを前に必要な対策を示した提言をまとめました。
宣言を延長する地域では、感染者の減少を加速させるために飲食店の営業時間の短縮要請を続け、不要不急の外出の自粛を徹底するとともに、今後も重症者の急激な減少は見込めないとして病床や医療従事者の確保をさらに強化する必要があるとしています。
政府の分科会は2日持ち回りで会合を開き、緊急事態宣言が延長される地域と解除する地域で求められる対策について、提言をまとめました。
この中では、飲食の場を中心とした感染拡大の防止対策など「急所」を押さえた緊急事態宣言の効果で、全国的に感染の減少傾向が見られるとする一方、地域によっては、感染の水準がいまだ高く医療への過剰な負荷が続いているため宣言の解除は難しく、今後も重症者の急激な減少は見込めないとして感染者の減少を加速させ、重症者への対策をさらに強化する必要があるとしています。
宣言の解除が難しい地域で求められる対策を具体的に示し、宣言を出さざるを得ないほど感染が拡大した原因の1つは、年末の忘年会を控えるメッセージが伝わらなかったことが挙げられるとして、国や都道府県は再び「3密」の回避などの基本的な感染対策の重要性を周知することや、若者に向けて気づかずに高齢者に感染させることや、後遺症があることなどを伝えて行動変容を促すよう求めています。
また、特に休日を中心に日中の人の動きが減少していないとして、都道府県や国に対して、昼夜を問わず不要不急の外出自粛や、テレワークなどによる出勤者の7割減などの要請を徹底すること、飲食店に対して営業時間の短縮要請のためにきめ細かい働きかけを行うことや、デリバリーやテイクアウトといった営業を呼びかけることなどを求めています。
さらに、クラスターが急増している高齢者施設については、施設での感染対策徹底のために対策チームを設置し、施設の職員が定期的に検査を受けられるようにしたり、感染者が見つかった場合に感染対策を支援できるような体制を作ったりすることなどを求めています。
また、重症者への対策として、国や都道府県は医療提供体制の機能不全に陥る手前の状況から脱するために、医師会や病院団体などの連携を通じて病床や医療従事者の確保を強化することや、自宅での療養や待機をしている患者が重症化するケースが見られるため支援を強化すること、それに新型コロナ対応に重点化する医療機関や症状が改善した患者を受け入れる病院の拡充などを求めています。
一方で、宣言の解除が可能と考えられる地域については、感染の状況などがステージ2相当となるまで必要な対策を続けることや、感染の予兆を早期に見つけるため、歓楽街など感染リスクの高い地域を中心に幅広くPCR検査を行うことなどを求めました。
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