<センバツ高校野球:具志川商8-3八戸西>◇22日◇1回戦
甲子園初出場の具志川商(沖縄)がプロ注目右腕の福島をナイン一丸で攻略した。2回1死一塁。知名椋平外野手(3年)がエンドランを決めて中前に転がして一、三塁の好機を築き、自らも二盗。二、三塁で上原守凜(しゅり)外野手(3年)が中前適時打を放ち、2点を先制した。具志川ナインは好球必打を徹底。球が上ずって苦しむ福島の球を見極め、じわじわと攻め上げた。鮮やかな攻撃の5回5失点KOで聖地初勝利だ。
快勝には大きな立役者がいた。喜舎場正太監督(33)は「車椅子の山城が宿舎に戻って食事のときに、福島君の特徴やキーマンの分析を、個々に伝えたり、山城に聞きに行ったりしていた。全員で勝った勝利」と明かした。福島は189センチ右腕。「沖縄にはああいう投手がいない」と指揮官は言う。「山城は動画とか見ながら『追い込んだときにスプリット、フォーク、縦系の変化が多いよ。抜け球の真っすぐには手を出さないよ』と。チーム全体で確認して『高めの球には手を出さない。低めの球も見極められたら勝機があるんじゃないか』と」と続けた。
山城来(らい)マネジャー(3年)は脳性まひのため、車椅子で生活する。この日は一塁側アルプス席から「参戦」した。日々、相手選手の癖などの特徴を分析し、仲間個々に伝えている。福島の投球映像をYouTubeなどで1週間ほど費やして分析。ボールが高めに浮く癖や球種の特徴を伝えた。「チームメートがグラウンドに立っているのは感動的です。小さい頃は高校野球のチームに入れると思っていなかったので甲子園に行けるのは感動的です」と話した。
小学3年の時、2月に阪神の沖縄・宜野座キャンプを訪れた。西岡剛に憧れた。足しげく通うと、ランディ・メッセンジャーに「久しぶり」と声を掛けられた。引退試合も甲子園に駆けつけるなど、人生に野球がある。主将の粟国陸斗内野手(3年)も「ライがしっかり分析という役割で、相手が決まる前は全チームを調べて、八戸西と対戦が決まったときもしっかり調べてミーティングで投手の癖を報告してくれる。相手の分析だけじゃなくて、自分たちの練習を見て、ここがダメだったとかを外から見て、中にいる人に言ってくれる。外から見ると、こうやって見えているんだと。ライのためにもしっかりと頑張ろうという気持ちになれています。大きな存在です。夕食も同じテーブル。一緒に喜びたい」と感謝した。【酒井俊作】
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