
打った瞬間だった。
コロナ禍で9回打ち切りが決まった今季のペナントレース。そのスタートとなる東京ドームの巨人対DeNAの開幕戦は打ち切り直前の9回裏、最後の最後にとんでもないドラマが待ち受けていた。
7対7の同点で迎えた巨人の最後の攻撃。DeNAの三浦大輔監督がマウンドに守護神・三嶋一輝投手を送り出すと、巨人ベンチは代打にベテラン・亀井善行外野手を指名した。同点引き分けまで、あとアウトは3つ。しかし、そこから劇的な結末が生まれた。
「始まったばかりですけど、今年一番の当たりです」
カウント1ボール1ストライクからの3球目。三嶋の真ん中からやや外寄りに入ってきたスライダーに、亀井のバットが一閃する。弾かれた打球は、アッという間にライトスタンド中段まで飛んでいった。
プロ野球初の開幕戦での代打サヨナラホーマー。一塁側ベンチが歓喜に包まれる。そのベンチに向かって「どうだっ!」とばかりにバットをかざして、亀井はゆっくりと走り出した。4つのベースを蹴ってホームに戻ってきた最年長のベテランには、チームメイトの手荒い祝福が待っていた。
「完璧でした。めっちゃ嬉しい! 準備だけは怠らずにやっていたので、何とか打てて良かった。今年……始まったばかりですけど、今年一番の当たりです」
念願した有観客での開幕。9991人が入ったスタンドに向かって、お立ち台のヒーローはこう会心の笑顔を見せた。
勝利は手にしたが、巨人にとっては思惑ちがいの開幕戦だったはずだ。
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