新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために来月2日まで公共部門は4人以下であっても会食と私的な会合をするなという保健福祉部中央事故収拾本部の指針をめぐり公務員の間で不満があふれる。随時取り締まりを通じて違反者を見つけるという脅しまでちらつかせた防疫措置だ。公共部門に限りすべての私的会合を、それも突然禁止するのは妥当な根拠を見つけにくい。社会的距離確保基準のどこにも公共と民間を区分して適用する内容はない。最近になり公共部門で集団感染が特に多く発生したわけでもない。 ある高位公務員の話のように「公共機関で働くならこの程度の不便は甘受すべきではないか」と考えることもできる。こうした雰囲気になじんだ公職社会でいらだち混じりの反応が出る理由は、「自分たちの行動は考えず関係のない職員に責任を転嫁するもの」というある公務員の愚痴に凝縮されている。彼は保健福祉部の逸脱を指摘した。昨年12月23日に保健福祉部の局長級以上の10人が世宗市内の中華料理店で昼食懇談会をした事実だ。連日感染者が1000人を記録し、「特別防疫指針」により「5人以上の会合禁止」が全国に拡大するまさに前日だ。保健福祉部は「朴凌厚(パク・ヌンフ)長官が退任式をして慣例通りに食事したもの」と釈明したが、ダブルスタンダードだとの非難があふれた。 警察・消防・軍からあふれる不満も公共部門に広がった不信を見せる。きのうワクチン接種を始めた警察と消防公務員の間では「予定を繰り上げてワクチンを打てというので実験対象になった気持ち」という反感が表出される。30代を中心にアストラゼネカ製ワクチンの副作用に対する懸念が大きくなって忌避現象が激しくなり、公務員に強制的に注射をして接種率を高めようとしているとの疑いが広がる。警察庁の金昌竜(キム・チャンリョン)長官が率先垂範するとして注射を打ったが、職員の間では「庁長が30代なのか?」という冷笑が流れる。軍では休暇に行ってきて隔離された兵士らに不十分な食事を与えたという不満が出てきたのに続き訓練所で飛沫感染への懸念を理由に歯磨きと洗面を禁止したという主張も出てきた。 政府が透明で誠意ある説明を通じて防疫とワクチンの実態を国民と率直に疎通してきたならば公共部門だけでなく全国民を対象に会合を禁止しても反感はなかっただろう。新型コロナ流行初期にマスク着用と社会的距離確保にみんなが熱心に従った姿が生々しい。いまからでも積極的な対話を通じて市民の苦情を把握し、軍将兵らに対する人権侵害要素がないかチェックすることを望む。「進歩を自任する政府が憲法10条(すべての国民は人間としての尊厳と価値を持ち、幸福を追求する権利を持つ)を知らないようだ」というある高位公職者の言葉を刻みつけなければならない。
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