政府が6月にまとめる「骨太の方針」の素案が判明した。新型コロナウイルスに対する政府の対応の遅れが批判されているため、緊急時にワクチンの承認を迅速化できるようにしたり、国や都道府県の権限を強めて病床を確保できるようにしたりするための法整備の検討を明記。感染症対策の強化を急ぐ考えだ。
骨太の方針は、政府の政策運営や来年度予算案の編成の土台となる。菅政権にとっては初めての方針で、6月前半に原案を公表、後半に閣議決定する見通し。今後、与党や関係省庁との調整が本格化する。
政府内で検討中の素案では、感染症対策について、「緊急事態における国内治験やワクチン承認の在り方について年内に検討を行い、法制上の措置を講ずる」と明記。欧米に比べ、ワクチン接種の遅れが目立つことへの批判に対応するものだ。具体的には、米国の仕組みにならい、ワクチンの有効性を示すデータがあれば緊急時の使用を認める「緊急使用許可」の創設などの検討を進めるとみられる。国内のワクチン開発の支援体制を強化する方針も盛り込まれた。
また、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)した場合に患者を受け入れる病院を指定するなど、「国や都道府県知事の権限や手段の強化を年内に検討し、法制上の措置を講ずる」と明記された。病床不足などが深刻化した場合に民間を含めて医療資源を効率的に使えるようにしたい考えだ。
ただ、ワクチン承認の迅速化や国・知事の権限強化には、厚生労働省や医療関係者の間で慎重論も根強い。骨太の方針の最終案までに、書きぶりや具体策をめぐる調整が難航する可能性もある。
素案ではこのほか、子育て支…
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