中国当局によるさらなる規制強化の動きを受け、株式市場に動揺が広がっている。テンセントホールディングスやアリババグループなど中国IT(情報技術)大手の株価が26日の香港市場で急落したほか、オンライン講座や学習塾を運営する企業の株価も総崩れとなった(27日付ウォールストリートジャーナル)。
新たなチャイナショックのような動きとなり、この日の欧米の株式市場も下落し、欧米の国債は買われるなどリスク回避の動きとなっていた。
いったい何が中国が起きているのか。
中国国務院(内閣に相当)は先週、学校教科の個別学習指導を提供している全ての機関が非営利団体として登録され、新たな営利団体としての設立を禁止するなどの新規則を地方政府に通知した。少子化の一因とされる家計の教育費負担の軽減が狙い(26日付ロイター)。
本当に家計の教育費負担の軽減が狙いなのか。これによって1200億ドル規模の民間教育会社は甚大な打撃を受けるとの見通しも示されている。この1200億ドル相当の民間企業の規模に問題があったのではなかろうか。
中国企業である大手配車サービスの「滴滴出行(DiDi、ディディ)」は6月末にニューヨーク証券取引所でIPO(新規株式公開)を果たした。
ところが、上場からわずか2日後の7月2日に、中国のサイバースペース管理局(CAC)は中国全土において、DiDiの新規会員登録の停止、4日には同社のアプリケーションの削除、さらに9日には同社系列のアプリ25件全体の削除を命じたのである。
米国で上場した中国企業のなかで、2014年に上場したアリババが250億ドルと過去最高を記録したが、DiDiが調達できた44億ドルは、それに次ぐ過去2番目の規模となっていた。しかし上場後、わずか2日間で中国国内の取り締まり対象会社になってしまったのである。中国政府の締め付けを受けての米国への極秘の上場作戦が裏目に出た格好となった。
2014年に上場したアリババもすでに規制対象になっている。アリババ傘下の電子決済サービス「アリペイ」を運営するアント・グループの上場が中止に追い込まれた。こちらも中国政府による締め付けの一環とされている。
さらに中国の規制当局は24日、ネットサービス騰訊控股(テンセント・ホールディングス)に対し、音楽の著作権について独占的な契約を結ぶことを禁じた。27日にテンセントは、メッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」の新規ユーザー登録を停止すると発表していた。
中国の経済成長は民間企業の力も大きく、一部の中国の民間企業が巨大化し、グローバル戦略を打ち出した結果、中国政府の意向と乖離するような事態となったことで、ここにきてそれらに対する締め付けを強化した格好となる。デジタル人民元の目的も基軸通貨ドルへの対抗というよりも、民間のアントやテンセントなどによる電子決済サービスを追い込むものと見なされている。
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