【ワシントン=吉田通夫】米国、英国、オーストラリアの3カ国は15日、安全保障の新たな協力の枠組みを設置することで合意したと発表した。第1弾として、米英がオーストラリアの原子力潜水艦の配備を支援する。中国を念頭に置いた協力強化とみられ、24日に予定される日本と米国、オーストラリア、インドによる枠組み「クアッド」の首脳会談でも対中政策が議論の焦点になる。
◆米英の原潜技術を豪に提供
新たな枠組みは3カ国の頭文字を組み合わせた「AUKUS(オーカス)」。バイデン米大統領はジョンソン英首相、オーストラリアのモリソン首相とともにオンラインで共同記者会見し「急速に増大している脅威に対し、最新の防衛能力を確保する」と語った。
原潜は一般的な潜水艦よりも長時間の潜航が可能。配備に関する情報は高度な軍事機密だが、3カ国は1年半かけて生産計画や核管理などについて協議し、ともに核保有国で同盟国である米英が共有する技術を、オーストラリアに提供する。米政府高官は「インド太平洋地域の抑止力を維持向上できる」と語った。
◆非保有国の豪にも…核拡散懸念
しかし、核保有国ではないオーストラリアの原潜保有に、核拡散への懸念が高まるのは必至。モリソン氏は会見で「核兵器の獲得や核戦力確立を目指しているわけではない。核不拡散の義務も果たす」と強調。ジョンソン氏も「潜水艦の動力は原子炉だが、核兵器を搭載するわけではない。核不拡散の義務に完全に沿っている」と述べた。
このほか、オーカスではサイバーや人工知能(AI)など先端技術を駆使した軍事的脅威への対抗や、軍需産業の部品調達網(サプライチェーン)の確保といった分野でも協力を強化する。
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