
これまで「GU(ジーユー)」といえば、若者に人気のカジュアルファッションチェーンと思われてきたが、最近では30代以降の大人をターゲットにした服も販売。親子で店舗を訪れる光景も目にするようになった。だが、下手にジーユーファッションを選ぶと余計にかっこ悪くなってしまう恐れも。ファッションジャーナリストの南充浩氏が、おじさん世代でも失敗しない“GUの着回しコーデ術”を指南する。 【写真】GUのセットアップ、おじさんが着たら?
* * * 先日、女優の麻生久美子さんを起用した「オトナGU」というコンセプトがジーユーから発表されました。これは、30代以降をターゲットとした取り組みです。現在のところ、レディースアイテムが中心となっていますが、メンズにもこれに類した商品があり、今後は“おじさん世代”でも着られるラインアップが増えていくものと思われます。 若者向けトレンドブランドだったジーユーが30代以降の男女を取り込もうとした狙いはどこにあるのでしょうか。
オトナ世代の顧客が増えたGU
まず、30代以降、特に40代後半以降は第2次ベビーブーム世代であり、今の若者と比べて圧倒的に人口が多い。また、就職氷河期世代を含んでいるとはいえ、若者と比べると所得が多いこともあるでしょう。 ジーユーにとって、若者はある程度取り込み切ってしまったから、さらにパイの大きな層をターゲットにしたといえますが、個人的には、ここ数年間の顧客動向に追随した側面もあるのではないかと考えています。つまり、「今から大人世代を狙っていこう」というよりは、「すでに大人世代の顧客が増えてきているから、そこを強化しよう」といった戦略にもみえます。 かくいう筆者も50歳を超えた立派なおじさん世代。ですが、この3年間ジーユーで服を買う機会が増えました。
中高年には着こなせなかったピチピチトレンド
ジーユーが「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんを起用して、若者向け低価格トレンドブランドとして再始動したのが2010年のことです。この取り組みが奏功してジーユーは一気に人気ブランドとなりました。 また、ベーシックなユニクロに対して、トレンドのジーユーという棲み分けもでき、ファーストリテイリングの2本柱としての実績を確立しています。2010~2015年ごろまでは狙い通りに若者客しかいなかったのですが、これは中高年には着こなしが難しいトレンド商品だったということ以外にもう一つの要因がありました。それは「サイズ」です。 2003年ごろから10数年、ファッショントレンドは全体的にタイトシルエット一辺倒でした。上下とも体に貼りつくような細身のシルエットの服が「かっこいい」とされたのです。今でも定番的に残っているスキニージーンズがその代表例です。2015年ごろまで男性も女性もスキニージーンズにピチピチのTシャツを合わせていたのを覚えている方も多いでしょう。 若者と中高年では体重が同じでも体つきが変わります。特に男性は30代以降になると学生時代と体重が変わらなくても骨格や筋肉がゴツくなる傾向にあります。 若者向けだったジーユーのタイトシルエットだと、中高年にはあまりにもキツすぎたのです。中高年もターゲットに入っているユニクロは同じタイトシルエットでももう少し緩めだったので、中高年はユニクロで買うことがほとんどでした。
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