
都内の専門商社で事務職として働くAさん(33歳・女性)が憤る。 「いまだにウレタンマスクで出社してくる20代の男性の後輩がいるんです。 【写真】ウレタンマスク・布マスクユーザーが語る「不織布マスクをつけない理由」 もうずいぶん前から、ウレタンマスクは不織布マスクに比べて飛沫を吸い込む量も吐き出す量もかなり多くなるっていう情報が出回っているじゃないですか。なのに、まだウレタン使ってるなんて、自分が他人に感染させるリスクに配慮が足りなさすぎるんじゃないかと腹が立って仕方ありません。 その後輩に至近距離で話しかけられると、思わずのけぞってしまいます。で、なるべく距離を取りたいから、ちょっとずつ後ずさるようにして離れようとするんですが、向こうは気づいていないみたいで離れた分だけ距離を詰めてきて……。ちょっとは察してよって感じです。 うちにはまだワクチンを打てない小さい娘もいますし、私が感染して、そこから娘が感染したらどうすればいいか……。でも、後輩にマスクのことまで口うるさく注意して煙たがられたり『気にしすぎのヒステリーな先輩』と思われたりしたらどうしようと考えると、気軽に注意もできなくて、モヤモヤした気分で日々を過ごしてます」
リスク感覚の違い
一時よりは新規感染者数が減ったとはいえ、新型コロナウイルスのデルタ株は相変わらず猛威を振るっている。 従来よりも圧倒的に感染力が高いこの株が蔓延するなか、いままで以上に浮き彫りになっているのが、「感染に敏感な人」と「そうでもない人」のすれ違いだ。 ワクチンが行き渡ってきているとはいえ、まだ接種を受けられていない人も多く、さらにはワクチンを接種しても感染する「ブレークスルー感染」も目立ち始めている。むしろ、ワクチンが普及してきたことで、感染へのリスク感覚の差が明確になってきた部分もあるだろう。 とりわけ、そうしたすれ違いが如実に現れるのが職場である。 リモートワークが進んでいるとはいえ、どうしても出社せざるをえない人はいる。Aさんのような「感染に敏感な人」にとっては、「そこまで感染を気にかけていない人」が「意識の低い」存在に見えてしまう。一方、感染をそこまで気にしていない人にとっては、感染に敏感な人は奇妙なまでに過敏な存在に見えてしまう。 では実際のところ、職場ではどのようなすれ違いが起きているのか。都内で働く人たちに取材した。
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