
日本で作られる洋服は、年間およそ29億着。そのうち、半分以上が廃棄されているといいます。作り手の思いが詰まった衣料品ロスを解決する、新たな取り組みが始まりました。
■製品譲り受け…“アップサイクル”
男性用のスーツだったものが、女性用のワンピースに変化しました。
東急不動産都市事業本部・瀬志本藍さん:「この腕の部分と、ここの部分をつなぎ合わせた」
このセーターは、別々の服の袖と胴の部分を合体させたものです。
並んでいる洋服は、すべて別のモノから価値ある製品へと作り直す“アップサイクル”の取り組みから生まれたもの。しかも、元の素材は、有名ブランドで使われていたものです。
瀬志本藍さん:「スポーツブランドのデサントの商品。アウトドア用品やテントなどを展開しているコールマン。イタリアのラグジュアリーブランドのミッソーニ」
衣料メーカーの協力によって、返品されたり、輸送中に傷が付いたりするなどして、販売されなかった製品を譲り受け、アップサイクルの素材として再利用しているのです。
■500人が挑戦!プロも驚く商品誕生
さらに、製品を作る人たちにも、ある秘密が…。
瀬志本藍さん:「洋服作りに携わってる学生もいるし、洋服作りには直接携わってはいないが、社会課題を解決していきたいとか、サステナブル(持続可能)なものに自分も取り組んで行きたいという思いを持った方々が集まっている」
デザイナーなど洋服のプロではなく、一般の人たちが、アップサイクル製品を製作。それにしても、そう簡単に洋服って、作れるものなのでしょうか?
瀬志本藍さん:「原宿は色んなクリエーターの人だったり、アーティストの方だったり、個人のクリエーション力がすごく強い街だと思っているので。個人の持つクリエーション能力を掛け合わせたような、未来のアパレル業界を考える研究所みたいな。そんな場所」
この研究所は、ファッションに敏感な人が集まる、原宿近くに開設されました。
誰でも無料でアップサイクル製品作りに参加でき、未経験者には、専属のスタッフがミシンの使い方から丁寧に教えていきます。
オープンから3カ月で、500人の人たちがアップサイクルに挑戦。その結果、プロも驚く見事な商品が続々、誕生していました。
瀬志本藍さん:「(絶対これ温かいですよ)寝袋ですから温かいです」
このダウンジャケットは、元は寝袋です。このドレスはチャックや、大きなボタンに特徴がありますが…。
テントでドレスを制作:「(Q.このドレスは何からできている?)テントを2つくらい解体して作っています。シルエットは、貴族っぽい感じなんですけど、ちょっと素材がカジュアル。(自分で着てみると)姫だけど、おてんばなような気持ちになりました」
この女性は、1カ月近く研究所に通って製作しました。
テントでドレスを制作:「(Q.将来は、どうしたい?)ブランドを持ちたいなと思っていて。それまでにアート系のこととか色々、作品を作った後に、ブランドを持てればいいなと思っている」
一般の人が参加した洋服作り。素材を提供するメーカー側にも、メリットがあるといいます。
デサントマーケティング部門・大辻俊作部長:「すぐにでも店頭に出して、ユーザーの声を聞いてみたいものもあるし、自分たちはスポーツをやってきたブランドになるので、全然違う発想で、新たなものが生まれるかなというような期待感もすごくある」
(「グッド!モーニング」2021年10月21日放送分より)
からの記事と詳細 ( 販売されなかった「ブランド服」…驚き“劇的再生” - テレビ朝日 )
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