
――今期の状況からお願いします。 「電線関連事業では高性能同軸ケーブルの販売が上向いてきたが期待水準に達してはいない。車載シートヒータ線は軟調だった前年同期から大きく増加。ただ半導体不足などによる自動車減産影響が一時的だが出るだろう。電源トランスに使う三層絶縁電線は足元悪くない。デバイス関連事業では半導体増産などで、その導通検査に使用するコンタクトプローブの需要が旺盛。一方サスペンションワイヤは需要先の携帯端末用カメラの機構変化などで数量が落ちてきた」 ――新5カ年中計が始動しました。 「持続可能性を第一に、得意分野で継続的に生き抜く利益創出を考え策定した。売上高220億円超・営業利益40億円超の目標を定めたが、これは通信インフラ・モビリティ・小型トランス・基板半導体検査装置の成長4市場で、強みを生かせる部分に注力する結果としての値。我々は過去構造改革で高付加価値部品・部材にシフトしてきた。その上で適切な施策をやり遂げれば達成可能な数字だ」 ――通信インフラ関連分野ではどのような製品群に期待を。 「5G関連需要が世界的に大幅拡大する。その中でアンテナの設置が進む見込み。当社は高速通信に使う高周波信号の減衰を抑えられる高性能同軸ケーブルを有している。アンテナで受信した無線信号を機器に繋ぐ際に変換する部分などで伝送特性に優れる製品の出番があるだろう。またデータセンター関連需要にも期待している」 ――自動車などモビリティ関連分野についてはいかがですか。 「シートヒータは現在高級車で搭載が多い。だが車の電動化で暖房熱源であるエンジンが減り、高級車以外でもシートヒータ採用が拡大する。当社のシートヒータ線は需要拡大が見込めるため増産したい。加えて電動化や運転自動化にはパワー半導体が必要。パワー半導体を駆動させるための電源回路上の変圧トランスに使う高耐圧複合電線もニーズが拡大する。来年までには製造能力を5割程度高めたい」 ――小型トランス関連分野では。 「三層絶縁電線を拡販する。三層絶縁電線はモバイル機器に加え最近のトレンドではデータセンター機器の電源トランスにも使われている。データセンター関連需要は成長が見込まれる状況。そこで使われる機器では情報処理量が増え、熱の問題が出ているので、耐熱特性を生かし伸ばせている。また小型化に貢献するなどの需要もあり、導体線材から自社生産し幅広い提案が可能な特長や、市場が拡大しても安定供給可能な力を生かすなどして事業を強化する」 ――基板・半導体検査装置関連分野での取り組みは。 「半導体の小型・高集積化で回路が微細化する中で、コンタクトプローブには高品質な細径品が求められる。細径加工技術や供給力などで我々は信頼を得ている。その競争力が今後さらに生きるだろう。細径でない製品も販売するが、成長市場に追随しながら収益を確保できる製品に注力していく。サスペンションワイヤは携帯端末カメラ向けの減少を、回路検査装置用リード線向けの拡販などでカバーする」 ――計画達成の肝になるのは。 「計画を実行するのは従業員。過去に再建に向けた構造改革で人員は減少した。だが我々はここまで成長し、今後さらなるチャンスが訪れるので人に投資する。社員高齢化が進む中、能力を有する人をさらに処遇しより貢献してもらう。また経営層・管理職含め、製造・管理・営業などで包括的に人材を育成する。品質を担保し生産性を高め、継続的原価低減ができる現場の人づくりにも力を尽くす。これらがそろってこそ計画が実行でき、結果を出していけるだろう」(古瀬 唯)
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