2019年の東京モーターショーでワールドプレミアされた日産のEV、アリア。そのメディア向け試乗会が、ようやく開催となった。
爽快な走り、広い室内、優れた静粛性。日本におけるEV普及のけん引役を目指すアリアに、日産の本気を見た!
●日産 アリアB6のここがポイント
・ドライバーのアクセル操作に即反応するレスポンスのよさ
・Mクラスと思えない広い室内空間
・従来のEVを超える圧倒的な静粛性
・WLTCモード470kmを誇る航続性能
・バッテリー温調で暑さ寒さに強い急速充電性能。充電ストレス解消
※本稿は2022年4月のものです
文/国沢光宏、写真/ベストカー編集部、撮影/佐藤正勝
初出:『ベストカー』2022年5月26日号
■すんごく静か&滑らか!!! 高評価相次ぐアイオニック5と比べても…!!?
2019年の東京モーターショーでワールドプレミアされたアリアのメディア向け試乗会がやっと開催となった。
日産が遅れについてまったく情報を出さなかったため「決定的な問題点が出ているのではないか?」など、よくないウワサも流れていたけれど、聞けば新型コロナ禍や半導体不足で部品などの開発が進まなかったという。
だったら首を長くして待っている顧客に説明すればいいのに、と思う。最近の日産、お客さんのほうを見ていない。
閑話休題。さっそく試乗といきましょう。
プッシュボタンで起動させ、Dレンジを選んでアクセル踏むと、けっこう電気自動車に詳しい評論家はすでに驚いてしまっている。すんごく静か&滑らか。
こう書くと「電気自動車だから当たり前でしょ」と思うだろう。そんなことありません。
電気自動車もモーターの音やギアの音、インバーターの音などいろんな音が出ている。振動だって敏感な人だとコギング(モーターの軸を手で回すとコキコキする。あれです)を感じる。
日産はリーフで充分静かだったしコギングもまったく感じなかったのだけれど、アリアときたら一段と静か。
今までヒョンデのアイオニック5が最も優れていると思っていたが、アリアときたら吸音材を使っている録音スタジオのように静か。
■走り出して100mで日産の技術レベルに驚かされる
さらに電気自動車で一番技術力を必要とする、アクセルオフからの全開時のレスポンスも、私が知っている電気自動車のなかで一番レベル高い。
走り出して100mで日産の技術レベルに驚かされましたね。乗っていてひとつも文句なし!
何より素晴らしいのが値上がりしている希土類(レアメタル)を使っていない巻線界磁モーター。
電気自動車やハイブリッド車に使われる一般的なモーターは、通電していない時も磁力を発生するネオジム磁石など使う。
巻線界磁モーターって通電しないと磁力を出さない。
技術的には難しいものの、アクセルオフ時の電気抵抗をゼロにできるため電費を伸ばせます。
試乗してわかる技術じゃないが、話を聞いて「凄いですね!」と感心しきり。
■2モーターの高性能版も楽しみ!?
ちなみにリチウム電池は世界TOPシェアの中国CATL製を採用している。トヨタ/スバルが使うパナソニック系より安価だと思う。
説明するまでもなく電気自動車は車両価格における電池のコスト大きく、高い電池を使うと車体にお金を掛けられなくなる。
安定した調達ができるのならCATLというチョイスは大いにありだと思う。
なかには中国製と聞くと不安を感じる人もいるだろうけれど、世界で最も電池に対するノウハウを持つ日産の選択なら気にする必要なし。
今回は撮影込みで1時間半という短い試乗時間だったため走れる場所も限られ、さまざまな路面での乗り心地やハンズフリー可能なプロパイロット2.0などは試せなかったが(ステアリングセンサーは触っているだけでいい静電式)、渋滞路や都市部を移動する時の快適性は世界一かもしれません。
大型液晶を2つ使った、上質感のあるインテリアもライバルのbZ4Xやソルテラと比べた時のストロングポイントです。
こうなると2モーターの高性能版が楽しみになってくる!
次ページは : 【番外コラム】気にならないワケないじゃない!? bZ4X&ソルテラとの優劣
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