軽症者は宿泊施設に受け入れ急ぐ｜NHK 兵庫県のニュース - nhk.or.jp

「緊急事態宣言」を受けて、兵庫県は専門家を集めた会議を開き、県内の「医療崩壊」を防ぐため、軽症の患者にはホテルなどの宿泊施設で療養してもらう方針を確認し、来週から受け入れを開始できるよう準備を急ぐことになりました。

兵庫県が設置した新型コロナウイルスの専門家会議は、「緊急事態宣言」を受けて、９日会合を開き、県内で「医療崩壊」を防ぐための対策について議論しました。
この中で、県は、▼重症者の治療体制を強化するため、今月中に５００人分の病床を確保し、人工呼吸器や防護服などの整備を支援することや、▼軽症者や症状がない患者については民間のホテルなどの宿泊施設で療養してもらうとした対処方針を説明しました。
そして、会議では、宿泊施設に移す患者について▽３７度５分以上の熱がない状態が２４時間続き、▽呼吸器症状が改善している人を対象とするとした運用の方針を確認しました。
一方、▽６０歳以上の人や基礎疾患のある人、それに妊娠している人などは引き続き入院してもらうとしています。
協議会の座長を務める神戸大学の荒川創一客員教授は、「今後、陽性者が増えれば、新型コロナウイルス以外の救急患者を受け入れられなくなると危惧する意見もあった。医療体制を維持するために柔軟な対応を進めていきたい」と話していました。

【県の医療体制強化方針】
兵庫県は、緊急事態宣言を受けた対処方針に感染者の増加が続く中、「医療崩壊」を防ぐための対策が盛り込まれました。
中でも重視しているのは、命を守るための重症患者の治療です。
現在、感染した人のためにおよそ２５０人分の病床が確保されていて、このうち３０人分が重症者用の病床です。
県は、対処方針で、感染症指定医療機関だけでなく、そのほかの病院の協力を仰ぎ、今月中に県全体では５００人分、重症者用は６０人分の病床の確保を図るとしています。
さらに、神戸市の中央市民病院、尼崎市の尼崎総合医療センターを重症患者に対応する「重症等特定病院」に指定して、治療体制を強化するとともに、人工呼吸器や防護服などの整備も支援します。
一方、病院が重症者の治療に専念できるよう、軽症者や症状がない感染者は、宿泊施設で療養してもらうとしています。
姫路市の民間のホテルで７８室、神戸市中央区にあるＪＩＣＡ＝国際協力機構の宿泊所で９６室、それに、神戸市や阪神地域のホテルを合わせて５００室を今月中に確保する方針です。
宿泊施設では、医師や看護師などで２４時間体制で健康観察にあたり、万が一、重症化した場合にはすみやかに病院に搬送するとしています。

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