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Wednesday, May 20, 2020

まだ、あなたが知らないニューヨーク最新トレンド 免疫セレブたちに学ぶ Immunity Celebrities - WWD JAPAN.com

 ニューヨークのファッション業界で活躍するクリエイティブ・ディレクター、メイ(May)と、仕事仲間でファッションエディターのスティービー(Stevie)による連載第9回。普段は、月に1、2度のペースで新しいレストランを開拓しながら情報交換する2人だが、自粛が始まった3月からは、ZOOMミーティングに切り替え中。“You’d Better Be Handsome”では、トレンドに敏感なレイチェル(Rachel)を交えて、ニューヨークのトレンドや新常識について雑談している。今回は以前から、なにかとキーワードになっていた“免疫ビジネス”についてトーク。ポストコロナにはますます伸びそうな予感。

スティービー:“ポストコロナ”と言われているけど、少なくともニューヨークでは、前と同じ生活にはしばらくは戻らないということが分かってきた。今後も第2波を懸念しながら経済活動に戻っていくわけだし。

メイ:私は、ずっとこもっているトライベッカのアパートに飽き飽きしてきた。どこか別の街に引っ越ししたいと最近考えてしまう。それにしても、マンハッタンの人たちは一体どこに行ったのか、というくらい人が少ない。周りにもハンプトンやコネチカットのセカンドハウスでカントリーライフを楽しんでいるという人たちが少なくない。

レイチェル:それに実家に滞在しているうちに、郊外の方が住みやすいという結論に至るニューヨーカーが増えているらしい。これを機に、ライフスタイルに関する価値観が変わっていくよね。

家ごもり期間中のスター、免疫セレブたち

メイ:こんなロックダウンの自粛生活において、そもそもライフスタイルが素敵な人たちはソーシャルメディア上でいつもより輝いているよね。

スティービー:ライフスタイルウェブマガジン&ショップ「グープ(GOOP)」を運営している、女優のグウィネス・パルトロウ(Gwyneth Paltrow)とか?

レイチェル:「グープ」は盛り上がっているよ。家で過ごすカジュアルだけどシックな服、こんなときだからこそデトックス、家でもできるワークアウト、オーガニックな料理など、今にぴったりのテーマが続々と出てくる。どれも体の中からきれいにして、外見も美しく、心もハッピーみたいな。

メイ:サプリとスキンケアの「グープビューティ(GOOP BEAUTY)」も人気よね。

スティービー:体の中からきれいになって、結果的に外見もきれいになる。インナービューティとかクリーンビューティ、ときにはセルフケアのカテゴリーにも入ってくるかもしれないけれど、共通項は“イミュニティ(免疫)”を強くするという話。

レイチェル:免疫にこだわるインフルエンサー的な、ライフスタイルリーダーというかセレブたちがすでに何人かいる。共通しているのは、自然体で、体の中からきれいそうなこと。ファッションもがんばり過ぎていないのがかえって今どきだし、化粧も濃くないけれど、それは素がきれいだから許される技。

メイ:すぐに思いつくのは、「ムーンジュース(MOON JUICE)」で一躍有名になったアマンダ・シャンタル・ベーコン(Amanda Chantal Bacon)とか?今日のインスタのストーリーでも、毎日8時間寝て、外を散歩して、瞑想して、寝る前にマグネシウムを飲むことで、ストレスを押さえて免疫力をアップしていると語っていたわ。

レイチェル:本人がきれいだから説得力がある。ちなみに「ムーンジュース」は、自宅でジュースを作るときに加えるパウダーで有名になった。パウダーを、あえて“ダスト”と呼んで、“ブレインダスト”“セックスダスト”などなど、キャッチーなネーミングとブランディングが成功した例。ホリスティックでありながらも効果も期待できる。

メイ:免疫セレブの元祖はミランダ・カー(Miranda Kerr)あたり?彼女は朝起きたら白湯を飲み、ココナッツオイルを食べて塗って、撮影中でも瞑想を欠かさないほど徹底していた。どこに行くにもクリスタルをポケットに忍ばせて。結局それらもすべて免疫力をつけて、内側から強くするということよね?

スティービー:どんなに高いクリームを塗っても、体内が健康ではないと無駄になる。それに気づいた人たちが、免疫力を高めるためにさまざまな努力をしているのは確か。例えば、ハリウッドスターたちに大人気の「ドクター・バーバラ・シュトゥルム(Dr. BARBARA STURM)」のセラムのファンが多いけど、バーバラの人柄、ライフスタイルを含めてファンという人も多いはず。

メイ:免疫ビジネスの目的は、ハッピーでヘルシーな毎日、そして最終的にはエイジングケアであること。“素敵に年をとりたい”“年はできるだけとりたくない”は全人類の共通項だから。

免疫力に長期投資するコンシャス層

メイ:もともと盛り上がっていた免疫ビジネスだけど、新型コロナと共存していかないといけない今の私たちにとっては贅沢品ではなく必需品になっている。

レイチェル:とはいえ、真面目に瞑想を学んで、ヨガをして、数々のスキンケアやサプリを買うのはお金がかかりそう。そもそも、食事もワインもコーヒーもオーガニックがルールだろうし。

スティービー:新型コロナは、英国の王子からハリウッドスターまでかかってしまうわけだけど、普段から免疫力に投資をしている人たちは回復する率が断然高いよね。アメリカにおける死者は、圧倒的に低所得者層が多い。こんなところにも格差が出てきて驚かされている。

メイ:そもそも、美や健康にコンシャスな人々は、普段から定期的に運動したり、不足しがちな栄養素はサプリで補ったり、とっても気を使っているからね。どこの国も同じだろうけれど、ニューヨークのファッション業界の人たちも、パーソナルトレーナーから栄養士、エステティシャン、ライフコーチまで、心と体の健康に普段から投資している。

スティービー:そういえばスタイリスト仲間の女性も、去年かな、ファッションの仕事を辞めてエステティシャンになった人がいる。あとはファッションブランドで働いていたけれど、パーソナルトレーナーになった人とかね。

メイ:確かに、みんなの興味がそっちに動いているのは感じるよね!ジョアンナ・チェック(Joanna Czech)も人気のエステティシャン。ウェブショップでは、玄人ウケしそうなブランドを販売している。先出の「ドクター・バーバラ・シュトゥルム」「ヴィントナーズ・ドーター(VINTNER’S DAUGHTER)」「ビオロジック ルシェルシェ(BIOLOGIQUE RECHERCHER)」「アウグスティヌス・バデール(AUGUSTINUS BADER)」「111スキン(111SKIN)」などなど。ジョアンナ・チェックのウェブというかブログも、何気なく彼女のコネクションやライフスタイルが分かる感じでアピールしているし。

レイチェル:ほかにもスーパーモデルのエル・マクファーソン(Elle MacPherson)が、サプリのブランド「ウェルコ(WELLECO)」を展開していて、ソーホーにはお茶もできる店舗がある。「フェイスジム(FACE GYM)」のインゲ・セロン(Inge Theron)はビューティジャーナリストからスパオーナーになった人物。コンセプトがユニークで、カーリー・クロス(Karlie Kloss)をはじめとするモデルたちから崇拝されている。ほかにも、ニューヨークとフィラデルフィアにカルト的なスパを展開する「レスキュースパ(RESCUE SPA)」のオーナー、ダヌータ・ミエロック(Danuta Mieloch)とか、スタート地点はさまざまだけど、美しくなるためのワンステップとして免疫を高める健康法を提案しているのが共通点。

スティービー:それと美容だけじゃなく、ライフスタイルの中での美容を提案している気がする。ファッションにもそれなりにお金をかけている人たちが、大事なのはヘルシーな体とマインドだというところに行き着いている。

メイ:そう、それがこの免疫ビジネスの急成長を支えている、いろいろとお金と時間がかかるよね。それに継続しないと意味がないわけだし。だからサプリもオイルのパッケージもおしゃれになっていくし、免疫セレブたちが効くと言えば高くても売れるわけよね。

スティービー:免疫力アップは長期投資だから。でも、すればするだけ効果も出るというのも事実。

コロナ時代の勝敗を決める免疫力

スティービー:「ニューヨーク マガジン(New York Magazine)」のファッションジャーナリスト、エイミー・ラロッカ(Amy Larocca)は、今回のパンデミックで“ウエルネス”と“ウエルオフ(経済的にゆとりがある、という意)”は同じになったと書いている。

メイ:その記事には、ニューヨーク州知事の弟でもあるCNNのキャスターのクリス・クオモ(Chris Cuomo)が、今回新型コロナに感染して一躍時の人になったことも書かれていた。

レイチェル:家族に移さないために、クリスは地下室に自らを隔離してテレビ出演していたけど、あの家も実は超高級リゾート地イーストハンプトンにあるらしい。

スティービー:まったく風景が見えなかったから、マンハッタンにいると思っていた。どちらにしても、恵まれた環境にいたということだよね。小さなアパートに暮らしている人たちは、家族の誰かが感染しても、隔離して生活するのは難しいから。

レイチェル:彼の妻のクリスティーナ・クオモ(Cristina Cuomo)は、ウエルネス系のサイト「ザ・ピュリスト(The Purist)」の創設者。彼女もその後感染したけれど、健康のプロであるクリスティーナが経験と知識を最大限に生かし、食事療法、ホメオパシー、サプリ、サウナでの肺に効く運動、陽に当たる頻度など、日々のメニューを作り出し、二人とも順調に完治している。

メイ:健康があってこその仕事だから、CNNのキャスターならそれくらいのことはするよね。今回のロックダウン中に、ヨガや瞑想を生活に取り入れたり、デトックスしたり、せめていつもよりも肌の手入れに時間をかけた人たちは多いと思うけれど、それも家にこもれる立場にあったからのこと。

スティービー:いまは健康な人も、これからどうなるか分からない中、とりあえずは免疫力アップを目指すようになる。僕も毎日サプリはいろいろ飲んでいる。前から摂取しているけど、家の中にいる時間が多い最近はビタミンDを必ず飲むようにしている。死者が多かったヨーロッパの国々では、ビタミンDが不足していたというデータもすでにあるようだし。

メイ:これを機に健康に目覚める人も多いはず。政治家やテレビの言うことは信じられないし、誰がウイルスを持っているか分からない時代に、最後に頼れるのは自身の免疫力ということね。

メイ/クリエイティブディレクター : ファッションやビューティの広告キャンペーンやブランドコンサルティングを手掛ける。トップクリエイティブエージェンシーで経験を積んだ後、独立。自分のエージェンシーを経営する。仕事で海外、特にアジアに頻繁に足を運ぶ。オフィスから徒歩3分、トライベッカのロフトに暮らす

スティービー/ファッションエディター : アメリカを代表する某ファッション誌の有名編集長のもとでキャリアをスタート。ファッションおよびビューティエディトリアルのディレクションを行うほか、広告キャンペーンにも積極的に参加。10年前にチェルシーを引き上げ、現在はブルックリンのフォートグリーン在住

レイチェル/プロデューサー : PR会社およびキャスティングエージェンシーでの経験が買われ、プロデューサーとしてメイの運営するクリエイティブ・エージェンシーで働くようになって早3年。アーティストがこぞってスタジオを構えるヒップなブルックリンのブシュウィックに暮らし、最新のイベントに繰り出し、ファッション、ビューティ、モデル、セレブゴシップなどさまざまなトレンドを収集するのが日課

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1 comment:

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