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Sunday, January 24, 2021

絶不調リバプールで気がかりな点は…。マンUに敗戦、今の姿は絶好調に陥ったドルトムント時代に似てきた【分析コラム】 - フットボールチャンネル

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マンUと再び対戦

ユルゲン・クロップ
【写真:Getty Images】

 ユルゲン・クロップ監督の“強がり”なのだろうか。現地24日に行われたFAカップ4回戦でマンチェスター・ユナイテッドに2-3で敗れた後、リバプールの指揮官は「(トーナメントからの敗退は)我々が望んだ結果ではないし、フラストレーションが溜まるものだ」と前置きした上で、次のようなコメントを残している。

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「我々はこのゲームから幾つかのポジティブなものを持ち帰ることができるし、もちろん、正しい方向へと向かう多くのことを確認したが、それは全て良いことだ」。

 リーグ戦で首位と好調を維持するユナイテッドは、自信を掴みかけていることの現れなのか、オーレ・グンナー・スールシャール監督は少しメンバーを落としてきた。トップ下にブルーノ・フェルナンデスではなくてドニー・ファン・デ・ベーク、GKにダビド・デ・ヘアではなくてディーン・ヘンダーソンを先発させる。そして序盤はボールを保持してリバプール陣内に攻め入ってくるなど、やや強気の姿勢であった。

 そうしたユナイテッドのメンバー変更と前掛かりなマインドの裏を突くような恰好で、18分、リバプールは先制に成功する。強度が甘い敵の守備ブロックの間を、すんなりファビーニョ→ジョルジニオ・ワイナルドゥム→ロベルト・フィルミーノとパスを通し、最後はモハメド・サラーがフィニッシュ。もちろんこのゴールは、ファン・デ・ベークとスコット・マクトミネイのプレスの甘さが招いたようなもので、リバプールの攻撃が機能したとは言い難い。

 その後は、先制を許したことでカウンター型のマインドを取り戻したのか、引き気味になったユナイテッドを崩せず、26分、48分とカウンターから2失点。逆転を許してしまう。58分には同点に追い付くが、ボールポゼッションからの得点ではなかった。敵のゴールキックからのリスタートの場面で、サラーがCBのハリー・マグワイアに外側からプレスを掛け、中央に入ってきたビルドアップのボールを中盤で奪い、再びサラーが決める。

 この2点目は、リバプールらしいプレッシングからの得点だったが、引いた相手に対する解決策を提示したわけではなかった。GKがいつものデ・ヘアではなかったことで、マグワイアはもう1度ボールをGKヘンダーソンに戻すことを躊躇ったのかもしれない。そう言った意味では、スールシャールのメンバー変更に恩恵を預かったゴールともいえるだろう。

少し気がかりなのは…

 もちろんこの2ゴールはリバプールの地力の現れとも取れるし、リーグ戦では昨年末のウエスト・ブロムウィッチ戦から得点がなかったサラーが2ゴールを奪ったことは、「ポジティブなもの」と言えるかもしれない。

 また、チアゴ・アルカンタラが敵陣の高い位置で攻撃のタクトを振るって、57分にはジェームズ・ミルナーが、61分にはトレント・アレクサンダー=アーノルドがボックス内に入って決定機を迎えた。67分にはフィルミーノのスルーパスからサラーがGKヘンダーソンとの1対1を迎えている。こうした幾つかのポジティブなものに対しては、クロップ監督も手応えを得たようだ。

「我々は2ゴールを決めたが、同様にゴールを決めることができた他の場面もあった。我々は深く守っているブロックに対してとても良いチャンスを創った場面もあったが、それは良かったね」。

 しかし、クロップ監督が「我々には結果が必要だ」とも述べているように、数ある「良いチャンス」も「結果」には繋がらなかった。すると78分に事故のような形でB・フェルナンデスに直接FKを決められ、3点目を奪われて万事休す。悪い流れは続いている。

 次の28日のトッテナム戦に向けて、クロップ監督は「彼らのカウンターアタックに対して良い準備となった」と言う。結果論になってしまうが、確かにこのユナイテッド戦では、カウンターからの2失点を防げていれば勝利することができていたし、そういった意味では、改善点は明らかと言える。

 少し気がかりなのは、こちらを研究してあえて引いてきた相手に対して、「ポゼッション型+ロスト時のカウンター対策」という、どちらかというとペップ・グアルディオラのイデオロギーを追求するハメになって絶不調に陥った、ドルトムントを率いた最後のシーズンと様子が似てきたことだ。

 フィルジル・ファン・ダイクが復帰すれば、ファビーニョを一列挙げて、さらにチアゴを一列挙げ、チームとして守備の安定を実現しつつ、より敵のボックスの近くで創造性を発揮できるだろう。しかし、大黒柱のオランダ代表CBの復帰は、4月半ば頃と目されている。リバプールにとってタフな時間はしばらく続きそうだ。

(文:本田千尋)

【了】

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