映画・ドラマ・舞台と、作品ごとに多彩な表情で観客を魅了する女優の内山理名が、映画『未来へのかたち』に出演した。本作は約240年の歴史を誇り、国の伝統的工芸品に指定されている愛媛県の砥部(とべ)町に伝わる“砥部焼”を題材に、窯元一家が巨大な五輪聖火台づくりへ挑む物語だ。内山は主人公の高橋竜青(伊藤淳史)傍で支える妻・幸子を、ナチュラルな存在感で好演している。 内山は、1998年にCMでデビュー。2005年に「大奥~華の乱~」(CX)で連続ドラマ初主演を果たして以降、映画・ドラマ・舞台など、さまざまなフィールドで女優として活躍を続けている。時に演じる役を通じて、それまで気が付かなかった学びを得ることもあり、それが「女優業の醍醐味にひとつでもありますね」と語る。その彼女に、作品のこと、仕事のこと、そして今も大切にしているという樹木希林のある言葉まで、さまざまな話を聞いた。【取材=鴇田崇】
地元民との交流が役作りに
――愛媛県の伝統工芸品である砥部焼を題材にした作品ですが、最初にオファーが来た際、いかがでしたか? 以前より陶器に興味はあるのですが、砥部焼は今回の作品をきっかけに知りました。とても惹かれるものがあり、窯元の役をぜひやってみたいと思いました。 ――どこに一番惹かれましたか? 料理が大好きなので、本当に器が好きで、窯元一家の役はとても興味がありました。まだ訪れたことのない砥部町でオールロケということも魅力でした。以前、ドキュメンタリーの企画で窯元を訪れたことがあるのですが、砥部町の窯元はどんなところだろうと、撮影前から楽しみにしていた記憶があります。 ――実際に行ってみていかがでしたか? 砥部町のみなさん、とても温かかったです。たくさんの窯元があり、砥部町の地図を見ながら、若い作家さんからベテランの作家さんまで撮影の合間に訪れました。砥部町の住民になった気分で散策できて楽しかったです。 ――仕事とはいえ、そういう時間があることはとてもいいですね。 はい。砥部町の方との交流が役作りの一環にもなりました。方言の面でも、砥部町出身の監督や地元のみなさんと話しているうちに、だんだんと方言が使えるようになっていました。東京に帰らず砥部町にいられたことは、自然と役作りに繋がってよかったです。 ――演じられた幸子は、夫である竜青の作る作品の一番のファンで、常にそばで見守り、支える存在でしたね。 わたしが演じた彼女は家族を見守る役であり、旦那さんのファンだからこそ口出しをしないところには口を出さない。でもファンとしての感想は言うみたいな、奥さんと旦那さんというよりは、職人と職人のような関係だと思いました。 ――独特の夫婦関係ですよね。予想していたものとはだいぶ違いました。 それは伊藤淳史さんとも話していまして、この夫婦の距離感は不思議だよね、と。すごく近いのだけれど、ひとつのものが中心になっている。だから夫婦間の問題として、たとえば「あなたはさあ」でけんかが始まるのではなくて、ものづくりの中でお互いのことを真剣に考えている。そこで成り立っている家族のかたちなんですよね。家族であり、職人の絆が感じられる関係だなと思いました。 ――印象に残っているシーンはありますか? 食卓のシーンです。このシーンは最後に撮ったのですが、家族で毎食のようにご飯を食べていたからこそ生まれた会話がありました。ご飯の時はこうだよね、とか台本にあるようでないようなシーンが撮れました。
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