[3日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は3日、住宅ローンの規制を一段と強化する方針を明らかにした。今年既に導入した、住宅価格の高騰とリスクの高い借り入れを抑制する措置がほとんど効果を表していないため、対策を強化する。
同国では歴史的な低金利や政府による新型コロナウイルス対応の財政出動を背景に不動産市場に投資資金が流入し続けている。
中銀は住宅ローンに関し、ローン資産価値比率(LVR)の一段の引き下げや債務対所得比率(DTI)の制限、金利の下限設定といった規制強化策を検討し、10月の導入を目指す。
LVRは、銀行の融資額とその融資を使って取得する不動産評価額の比率を示す指標で、LVRが80%を超える借り手は経済的負担が大きいと見られている。
中銀は昨年4月、新型コロナウイルス感染拡大の打撃を受けた景気を下支えするため、LVR規制を1年間撤廃することを決めたが、住宅価格の高騰を受け、今年3月に規制を復活させた。
中銀のバスカンド副総裁は声明で「過去12カ月間に高いLVRとDTIで借り入れを行った人たちについて特に懸念している」と表明。「こうしたリスクを管理するため、LVR規制の調整を既に行っているが、リスクの高い融資は十分に減少していない」と語った。
中銀は、LVR80%を超えて貸し出すことができる金額を新規融資全体の10%と、現行の20%から引き下げることを提案しているという。
ロバートソン財務相は、「廉価な住宅供給に向けた特効薬はなく、持続可能な住宅市場を達成するには金融政策と財政政策の連携が必要だ」と強調した。
NZの住宅価格は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も大幅に上昇している。
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