犯罪組織による資金洗浄=いわゆるマネーロンダリングの対策について各国の取り組みを審査する国際機関が日本に対する審査結果を公表しました。これまでの対策の成果を評価する一方、地方銀行などの対策が不十分で政府に監督や検査の態勢の強化を求めています。
マネーロンダリングは犯罪で得た資金などを金融機関の間で移動させて合法的に見せかける行為で、国内の犯罪組織だけでなくテロ組織の資金源にもつながるとされています。
対策強化のため各国の金融機関や監督当局の体制を審査している国際機関=FATFは、2年前から続けてきた日本に対する審査の結果を公表しました。
それによりますと、日本の総合的な判定は3つのある区分のうち中間の「重点フォローアップ国」でこれまでの対策をする評価する一方で定期的な改善状況の報告を求めています。
具体的には、地方銀行など規模の小さい金融機関では、法人の代表者の本人確認といった継続的な顧客管理の態勢が不十分で、大手銀行並みの水準に引き上げるよう求めています。
また、政府に対しては金融機関や暗号資産業者への監督や検査態勢を強化することや、関連する犯罪について捜査の優先度を高め厳罰化することも求めています。
審査の結果を受けて政府は警察庁、財務省、それに金融庁などでつくる対策会議を設置し、今後3年間の行動計画を策定することにしています。
麻生副総理兼財務相「成果上がってる」
今回の審査結果について、麻生副総理兼財務大臣は「報告書では国際協力等の分野で良い結果を示し、マネロン・テロ資金供与対策の成果が上がっているとされている。国民の皆様のご理解とご協力を頂きながら、対策に取り組み、安全安心な暮らしを実現するとともにポストコロナの持続的な経済成長に貢献したい」というコメントを発表しました。
「重点フォローアップ国」とは
FATFの審査結果は、3つに分類され、マネーロンダリング・テロ資金供与対策の環境整備が最も進んでいるとされる「通常フォローアップ国」、対策に一定の評価を受けつつも定期的な改善状況の報告が求められる「重点フォローアップ国」、対策の整備が足りないとされ早期に法律の整備などの改善が求められる「観察対象国」に分類されます。
これまでに完了しているFATFの審査では「通常フォローアップ国」と評価されたのは、イタリアやイギリス、スペインなど8か国。
「重点フォローアップ国」はアメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国、中国など19か国。
「観察対象国」はアイスランドとトルコの2か国です。
からの記事と詳細 ( 日本のマネーロンダリング対策 国際機関が審査 “態勢強化を” - NHK NEWS WEB )
https://ift.tt/3sXLWu7
No comments:
Post a Comment