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Monday, September 6, 2021

防衛費概算要求 対中抑止力の強化が不可欠だ - 読売新聞

 中国の軍備増強によって、東アジアの軍事バランスに大きな変化が生じている。日米同盟体制を強化するためにも、日本自身が防衛力を着実に高めていく必要がある。

 防衛省の2022年度予算の概算要求は、21年度当初予算を2・6%上回る5兆4797億円となった。増額が認められれば、10年連続となる。

 安全保障情勢が厳しさを増していることを踏まえ、主力装備の取得を加速したのが特徴だ。ステルス戦闘機F35を前年の2倍となる12機調達するとともに、巡航ミサイルを迎撃できる長距離対空ミサイルSM6を初めて要求した。

 中国は高性能な中距離ミサイルを多数配備し、米軍の介入を阻止する戦略に自信を深めている。

 とりわけ、開発中の極超音速滑空兵器は、音速の5倍以上で飛ぶため、地上にあるレーダーに依存する日米の現在のミサイル防衛網では迎撃が困難だ。

 防衛省は、多数の小型衛星を打ち上げる「衛星コンステレーション(群)」で探知する構想を進めるという。米軍との協力を深めてもらいたい。

 一方、地上配備型迎撃システムに代わる「イージス・システム搭載艦」に関しては、建造費の計上を見送った。詳細な設計にさらに時間が必要といい、計画が遅れるのは避けられない。

 日米同盟が地域の平和と安定を維持するために、自衛隊が今後どのような役割を担っていくのか、国家安全保障会議でしっかり検討し、防衛力整備に反映させることが重要である。

 従来、自衛隊は防御に徹し、攻撃力は米軍に依存するとの役割分担をしてきた。その基本構造を踏襲するにしても、日米が一体となって抑止力を高めるためには、日本がこれまで以上に積極的な役割を果たすことも課題となろう。

 敵基地攻撃能力の保有を念頭に置いた「ミサイル阻止」の新たな方針や、サイバー攻撃への反撃などの検討課題について、具体的に議論を進めなければならない。

 防衛省は、宇宙、サイバー、電磁波の部隊を増強するという。新領域での脅威は、防衛施設だけでなく、交通、通信などのインフラ全体に及ぶ。防衛力と警察力の連携など、総合的な対処能力の強化を視野に入れて検討すべきだ。

 研究開発費も大幅に増額した。中国をはじめ各国は、人工知能など民間の先端技術の軍事転用を急いでいる。日本も、技術活用の幅を広げていくことが急務だ。

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