
県は、今後の県内の医薬品産業の発展に向け、「新たな医薬品産業ビジョン(仮称)」を年内に策定する。ジェネリック医薬品(後発薬)企業の不正製造問題などで業界を取り巻く環境が悪化する中、薬の研究・開発体制の整備などを行い、「くすりの富山」の復権を目指す。
先月初旬に開かれた「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアム検討委員会で方針を確認した。コンソーシアムは医薬品分野の産学官の連携を強化しようと、県や医薬品業界、大学などで構成。ビジョンはコンソーシアムとして策定する。
全国有数の薬産業県の富山は、医薬品生産金額が全国4位。県は「くすりの富山」として、産業育成に力を入れてきた。しかし、現在、業界には逆風が吹いている。
今年3月、後発薬製造大手「日医工」(富山市)が約10年間、国に承認されていない手順で医薬品を製造していたことが発覚。医薬品の品質に対する信頼は失墜した。さらに、国が定める薬の公定価格(薬価)の引き下げにより、収益の悪化などの恐れも出ている。
こうした背景から危機を脱却しようと、ビジョンの策定を決めた。具体的には、抗菌薬など必要不可欠な医薬品や、遺伝子組み換え技術などを用いた「バイオ医薬品」の生産での技術革新を進め、品質向上や安定供給を実現させる。
また、大学発のベンチャー(起業)により、薬の基礎研究から販売まで一貫して行えるよう研究・開発体制を整える。高品質な医薬品の製造や創薬の開発などを支える人材育成も強化する。
今後、検討委の下に部会を設置して議論し、年内に策定する。
県くすり政策課によると、先月初旬の会議の出席者からは「新薬の開発につながるような研究・開発体制、人材育成を着実に行っていくことが重要だ」「効率的な生産体制を作るため、新しい技術の導入の検討も必要だ」などの意見が出た。
新田知事は会議の冒頭、「日本のために、富山県で何をどのように作ることができるのかを考えないと、この先の将来はない」と危機感を示した。
からの記事と詳細 ( くすりの富山復権に道筋 研究・開発や人材育成強化 - 読売新聞 )
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