
千葉県のJAいちかわは20日、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイへの米輸出を強化するため、ユダヤ教の食の戒律に基づく「コーシャ」認証取得に向け、査察を受け入れた。米のコーシャ認証取得は全国でも珍しい。JAは今年度、管内産「粒すけ」2トンを同国に輸出する見込みで、全国各地が米の輸出に乗り出す中、認証取得で差別化を図る。
同日、JAの田中経済センター精米所(柏市)を、ラビ(宗教指導者)のシュムエル・ヴィシェドゥスキー氏と、英国に本部があるコーシャ認証団体・KLBDの日本事務所、ヤマミズラの門傳章弘代表が訪れ、米に虫などの異物の混入がないかや動物が侵入する恐れがないかなど、認証取得に重要な項目を確認。ヴィシェドゥスキー氏は「徹底した選別で米の色や粒の大きさがそろっていて素晴らしい」と評価。「間違いなくコーシャ認証を取れるだろう」と太鼓判を押した。 英国本部での審査を経て、3週間後に正式に取得が決まる見込み。認証は1年間有効で、同精米所で精米された米は全てコーシャ認証となる。 2013年からUAEに梨を輸出しているJAは、中東への農産物輸出に力を入れる。UAEとイスラエルが20年8月に国交正常化し、人口の約7割がユダヤ教徒のイスラエルから、ドバイへの旅行客が増えており、ドバイの高級飲食店では、コーシャ認証を取得した日本食材のニーズが高まっているという。 イスラエルに次いで教徒が多い北米では、コーシャ製品に安全なイメージが強く、同教徒以外にも富裕層の購入が多いという。JAの今野博之理事長は「コーシャ認証取得はJAでも初、米では日本初ではないか。取得を弾みにJAの農産物を世界にアピールしたい」と手応えを示した。
<ことば> コーシャ
旧約聖書に基づくユダヤ教の食事規則。畜産物はひづめが分かれていて反芻(はんすう)する牛や羊などが認められているが、有資格者が動物を苦しませずに食肉処理する決まり。野菜や果実、穀類、豆類は虫の混入を防ぎ、酒類は原料分析の他、設備や清掃に関する規定がある。
日本農業新聞
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