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Sunday, May 29, 2022

米国債強気派、インフレ加速の兆候に注目-今週雇用統計発表で - ブルームバーグ

米国債市場で債券強気派が再び優勢になっている。ブルームバーグ米国債指数によると、5月は月間ベースで昨年11月以来のプラスリターンとなる見込み。強気を維持できるかどうかは今週発表される統計が鍵を握りそうだ。

  2000年以来となった今月の0.5ポイントの米利上げと追加利上げ見通しで米株式相場は急落。米ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクファイン上級会長とシティグループのストラテジストは米経済がリセッション(景気後退)に陥るリスクが高いと指摘した。こうした見方も追い風となり、米国債は4月中旬以来の高値を付けた。

  今週末に発表される5月の米雇用統計では金融当局に賃金・物価スパイラル阻止の取り組みを促している労働市場の力強さが鮮明になる可能性もある。一方で、流動性悪化の兆候は米国債市場がセンチメントの急速な変化に秩序立った形で対応できるとの信頼感を損なっている。

  アムンディ・アセットマネジメントの債券責任者ジョナサン・ダンシング氏は「われわれは現在のサイクルにおいて、投資家の注目点がインフレか成長かで揺らぐ地点にある」とした上で、「インフレや成長の道筋と、連邦準備制度がインフレ目標達成のために最終的に何をする必要があるかについて明確さが必要だ」と指摘した。

  長く続いた米国債の弱気相場は小休止を迎えている。10年債利回りは5月に付けた3年強ぶりの高水準である3.20%から下げ幅を拡大。ブルームバーグ米国債指数の年初来騰落率は5月6日にマイナス9.6%を付けた後、マイナス7.8%まで回復した。

  トレーダーはなお6月の0.5ポイント利上げを見込んでいるものの、7月についてはより小幅な利上げを予想し始めている。また金利市場は9月の金利据え置きも織り込み始めており、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、実際に据え置きにはならないとしても、こうした流れは強まる可能性が高いと分析した。

  米金融政策に敏感な米短期債が先週の米国債上昇をけん引。週間で5年債利回りは8.2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下したのに対し、30年債利回りは2.2bp低下にとどまり、両債の利回り格差は3月中旬以来初めて30bpを上回った。

  BNYメロン・ウェルス・マネジメントの最高投資責任者(CIO)、レオ・グロホウスキー氏はこのイールドカーブのスティープ化について、「成長懸念」の反映だとし、「今後2回の利上げはほぼ織り込み済みだが、経済とインフレが共に落ち着くにつれてペースは緩和するはずだ」と説明した。

原題:

Treasury Bulls Brace for Reckoning With Forces Driving Inflation(抜粋)

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