参院選は26日、公示後最初の日曜日を迎え、各地で一斉に候補者らが街頭活動に繰り出した。今回の選挙では物価高や、伸び悩む賃金、不安定化する国際情勢など幅広い課題が争点となっており、アピールしたい政策を有権者に浸透させるため、どこを演説場所に選ぶかも各陣営の戦略の一つとなっている。
「急激な物価高が、生活や事業に影響を与えている。苦しんでいる人の思いに寄り添い、全力で守る」。そう訴える新潟選挙区(改選定数1)の候補者は、多くの人の暮らしに影響する物価高対策をPRするため、この日の活動場所に買い物客らが集まるJR新潟駅とその近くの商店街を選んだ。
ポロシャツに短パン、サンバイザー姿と親しみやすい格好でランニングしながら商店主や買い物客とグータッチ。陣営によると、物価高に敏感な有権者に浸透を図るのが狙いだといい、新潟市中央区の鮮魚店店員の女性(72)は「輸入ものを中心に仕入れ価格が上がっている。でも、お客さんのことを考えると、すぐには値上げできない。生活を守る対策を立ててほしい」と話していた。
大阪選挙区(改選定数4)の候補者も大阪府豊中市の商店街を40分ほどかけて歩いて有権者と言葉を交わし、店主らの「売り上げが落ちている」「商店街がさびれて大変」といった声に耳を傾けていた。
諸外国に比べて、伸び悩む賃金の引き上げも各党が訴える政策の一つ。特に将来を担う若者世代は、賃金が結婚や子どもを育てる選択ができるかどうかにも大きく影響する。
東京選挙区(改選定数6)の候補者の一人は、休日には多くの若い世代が集まるJR新宿駅東口の歩行者天国で街頭活動を行った。コロナ禍で過酷な勤務実態が指摘された看護師らと一緒に、医療従事者の待遇改善などを訴えるプラカードや横断幕を持って歩き、「賃上げは実現させないといけない」と声を上げた。
演説を聞いた東京都目黒区の会社員男性(30)は「日用品、食品の価格が上がったと感じる。家計の負担減のためにも、政治は賃上げに力を入れてほしい」と期待していた。
候補者と一緒にスマートフォンで撮影する有権者もおり、陣営関係者は「賃上げは若者の関心も高い。手を振ってくれる人も多く、効果的な発信ができた」と手応えを感じていた。
国際情勢が不安定化している中で、北海道選挙区(改選定数3)に立候補した候補者は、北方領土に近い北海道根室市を街頭演説の場所に選んだ。
ウクライナ侵攻を巡る日露関係の悪化で、ロシア政府は、北方領土の周辺水域で日本の漁船が安全に操業できるよう定めた協定の履行停止を発表している。
この候補者は「北方領土問題の解決に直結するような施策をやってまいります」と演説し、「国際情勢が変わる中で、根室はどうしてもロシアと向き合っていかなければならない。根室の人たちに安心できる環境を整えたい」とも語った。
演説を聞いた市内の水産加工業の男性(78)は「政治家として重要なのは、日露間の問題解決に向けて、具体的に行動できるかどうかだ」と話した。
からの記事と詳細 ( 演説どこで 知恵絞る…幅広い争点に対応 - 読売新聞オンライン )
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