2022年度東北学院大学地域連携センター主催「地域福祉とファンドレイジング」開催報告
2022年09月30日
9月17日、地域連携センター主催の2022年度第1回CSW公開研究会が開催され、本学の履修証明プログラム「コミュニティソーシャルワーカー(CSW)スキルアッププログラム」の授業の一つ「地域福祉とファンドレイジング」を公開授業として行いました。(プログラムの詳細については、こちらからご覧ください)
授業は、今回の講師で一般社団法人日本地域福祉ファンドレイジングネットワークCOMMNET理事長の久津摩和弘氏と、プログラムの受講生がいる土樋キャンパスをオンラインでつなぎ行われ、一般の参加者にはZoomを使用して公開しました。
日本における地域福祉ファンドレイジングの第一人者である久津摩氏は講義で、日本の福祉では積極的な財源確保のタブー視や、ファンドレイジングの知識を学べる環境が少ないことなどを例に出し、財政基盤を強化しなければCSWとしての社会的使命が達成できないという現実が軽視されてきたと解説しました。その上で社会の課題全体を包括的に解決するために、公的財源に加えて寄付などの民間財源の活用を推奨。これによって対象者や支援内容を制限されず柔軟な活動ができると話し「医療費が払えず、高熱が出ても病院に連れて行ってもらえない」、「かばん、着替え、お小遣いなどを用意できず修学旅行を諦める」といった子どもに対する支援など、民間財源だからこそできた事例を数多く紹介しました。
また、これまでの“施し”のNPOではなく、社会課題を理解する「社会貢献コンサルタント」として活動する重要性を説き、購入することが寄付につながる自販機や弁当など、実際に企業と取り組み成果に結び付いている事例を多くの写真を交えながら紹介。このポイントとして「企業側のメリットを考え、会社の柱となる社会貢献、商品の社会的地位を高める企画であること」を挙げ、継続的に活動資金が入り、社会課題を解決することを「ファンドレイジングのゴール」として示しました。
久津摩氏は最後に、イギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンの「最も強いものが残るのではない。最も変化に敏感なものが生き残る」という言葉を引用し「正しい知識を学び続けることが重要」と参加者へ呼びかけ「CSWは町のヒーローになれる!」とメッセージを送り、6時間に及ぶ講義を締めくくりました。
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