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Sunday, October 30, 2022

【今週の注目材料】12月の米利上げをにらむうえでも注目度高まる=米雇用統計 - みんかぶFX

経済指標 

 4日に10月の米雇用統計が発表されます。物価高が進む中、雇用市場がしっかりした状況を維持し景気を支えることが出来るのかどうかは、利上げ幅縮小か維持かの見通しが分かれる12月のFOMCをにらむうえで、非常に重要なポイントとなります。

 前回9月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が26.3万人増となりました。市場予想の27万人前後よりもやや少ないものの、堅調な伸びとなっています。失業率は8月の3.7%と同水準が見込まれていましたが、3.5%に低下しています。

 内訳をみると、レジャー&ホスピタリティ部門の8.3万人増が目立ちます。パンデミック後の回復が他の部門より遅れており、雇用全体ではパンデミック前の水準を超えて増加している米国において、パンデミック前と比べてまだ95.2万人も雇用者数が少なく、回復余地があるという面が大きいです。ただ、景気にかなり敏感な部門なだけに、同部門の堅調な回復は好印象です。

 一方9月は小売部門と運輸・倉庫部門で雇用が減少しました。小売部門は8月が4.26万人増と大きく伸びており、その分の反動という面があります。ただ、小売部門、運輸・倉庫部門共に景気に敏感な部門だけに、こちらは警戒感につながっています。

 今回の予想は20.0万人増。7月の53.7万人増から8月の31.5万人増、9月の26.3万人増と増加幅が縮小してきており、4ヶ月連続での雇用の増加幅減少が見込まれています。

 もっとも、パンデミック前の雇用者数を8月時点で上回っている状況での20万人増は決して悪い水準ではありません。コロナ禍で雇用市場が混乱する前の2010年から19年の10年間をみると、非農業部門雇用者数の平均は18万人増となっており、20万人増はやや強めの水準でした。

 失業率は3.6%と前回の3.5%から悪化見通しですが、こちらは8月の3.7%から前回一気に0.2%ポイント低下した分の反動と見られます。

 全体として予想前後の数字が出てくると、米雇用市場は堅調という印象です。12月の大幅利上げのハードルに成るような水準ではなく、ドル買いにつながる可能性があります。ただ米雇用統計、特に非農業部門雇用者数は予想からのブレがそれなりにある指標です。予想を下回る弱めの伸びとなった場合は、12月の0.5%ポイントへの利上げ幅縮小見通しが一段と強まる形でドル売りにつながる可能性があります。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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