[ブリュッセル 24日 ロイター] - 欧州連合(EU)首脳会議は25日、将来的にEUの銀行同盟を完成させると約束しつつ、時期の決定については域内の財務相に委ねる内容の声明を発表する見通しだ。草案をロイターが確認した。
意見の分かれる共通預金保険制度の創設を意味する銀行同盟が完成すれば、ユーロ圏銀行危機の可能性を大幅に低下させ、ユーロに対する市場の信頼性が高まり、ユーロ需要を押し上げるとみられている。
ただ、いくつかのユーロ圏諸国では非常に敏感な問題となっており、預金保険制度の合意に向けた取り組みは数年にわたって行き詰まっている。
草案は「われわれは『銀行同盟』の完成に対する全面的なコミットメントを強調する。最近の議論を活かし、遅滞のない、コンセンサスに基づいた、『銀行同盟』の完成に必要なあらゆる未解決要素に対する段階的かつ期限を定めた作業計画を基にした合意を(EU財務相に)要請する」とした。
主な未解決要素はEU全体の預金保証。既に単一銀行監督メカニズムと単一破綻銀行処理メカニズムはあるためだ。
ただ、「欧州預金保険スキーム(EDIS)」と呼ばれる共通のEU預金保護制度で合意する前に、ドイツといった一部の国は解決すべきその他の問題があると訴えている。
まず第一に、各銀行はそもそも破綻の危険性を減らす必要がある。これは不良債権や、事業を行っている国の政府といった単一発行体の債務に対するエクスポージャーを減らすことを意味する。銀行のエクスポージャーが最も大きくなっている国が債券を償還できなくなったとしても銀行が破綻しないようにするためだ。
ただ、銀行が保有する単一ソブリン債の規模を制限することは、国内銀行から多くの借り入れを賄っているイタリアにとって受け入れがたいものだ。その他の一部南欧国もイタリアの反発に同調している。
ユーロ圏当局者は、9月下旬のドイツ総選挙前の進展は望めないと指摘。しかし、ドイツの新政権が発足しても、2022年5月のフランス選挙前の進展も困難とみられる。
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