米国労働省が10月7日に発表した9月の非農業部門雇用者数は前月から26万3,000人増と、市場予想の27万5,000人増をやや下回った。就業者数は前月から20万4,000人増加し、失業者数は前月から26万1,000人減少した。失業率は前月の3.7%から3.5%(市場予想は3.7%)に低下した(添付資料図参照)。
失業者のうち、一時解雇の失業者は前月(78万2,000人)より2万4,000人減の75万8,000人、恒常的失業者は前月(135万4,000人)より17万3,000人減の118万1,000人だった。
労働参加率(注)は、生産年齢人口が前月から17万2,000人増加し、労働力人口が前月から5万7,000人減少した結果、前月から0.1ポイント低下の62.3%だった(添付資料表1参照)。
平均時給は32.46ドル(前月:32.36ドル)で、前月比0.3%増(前月:0.3%増)、前年同月比5.0%増(前月:5.2%増)となり、前年同月比では前月と比べ低下した(添付資料表1参照)。
9月の雇用者数の前月差26万3,000人増の内訳をみると、民間部門は28万8,000人増で、うち財部門が4万4,000人増、主な業種として製造業は2万2,000人増、建設業は1万9,000人増だった。サービス部門は24万4,000人増で、教育・医療サービス業9万人増、娯楽・接客業8万3,000人増、対事業所サービス業4万6,000人増と小幅ながらも主要業種で引き続きプラスとなった一方で、運輸倉庫業は7,900人減、小売業は1,000人減少した。なお、政府部門も2万5,000人の減少だった。(添付資料表2参照)。
9月の人種別失業率は、白人3.1%(前月3.2%)、アジア系2.5%(前月2.8%)、ヒスパニック・ラテン系3.8%(前月4.5%)、黒人5.8%(前月6.4%)と全てで改善した。
年末商戦を控え、景気見通しを映す運輸倉庫業や小売業でわずかながら減少したものの、足元の景気に敏感な娯楽・接客業の増加幅は引き続き大きく、全体としては9月の雇用統計の内容は堅調だったといえる。失業率は0.2ポイント改善、労働参加率は0.1ポイント低下するなど労働需給逼迫の継続がうかがわれ、時給の伸びは前年同月比では低下したものの、前月比では8月と同じ伸びとなっている。11月1、2日に連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるが、今回の雇用統計を受けて、4会合連続となる0.75ポイントの政策金利引き上げが行われるとの観測が市場関係者の間では8割近い水準にまで高まっている。
(注)労働参加率は、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(就業者+失業者)の割合。
(宮野慶太)
からの記事と詳細 ( 米9月の雇用者数26万3000人増、失業率は3.5%に改善、次回FOMCで0.75ポイント利上げの観測高まる(米国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ(日本貿易振興機構) )
https://ift.tt/7XTzCI9
No comments:
Post a Comment